Wonderlize Insight Vol.07|新卒採用の本番は、夏が終わってから始まる。

WONDERLIZE INSIGHT

経営者と人事のための、採用・組織レター Vol.07

新卒採用の本番は、
夏が終わってから始まる。

学生の“いいな”には、賞味期限がある。

学生は夏に、たくさんの会社を回ります。夏季インターンシップや説明会で、何社もの現場を見ます。そして夏の終わりには、手元にいくつもの「いいな」が並びます。問題は、その「いいな」が秋まで残らないことです。

いま、夏季シーズンの企画に力を注いでいる会社は多いと思います。準備は終わり、あとはやり切るだけ。応募を集める。選ぶ。当日を無事に運ぶ。そこに集中するのは当然です。現場は本当に大変です。ただ、一つだけ先に言っておきたいことがあります。現代の新卒採用活動で重要になってくるのは夏が終わってからです。

Vol.6の記事で述べたとおり、学生の第一志望は「働く自分が見えた会社」で決まります。夏のインターンシップで心が動くのは、その瞬間があるからです。夏季シーズンが大事なのは間違いありません。ただ、動いた心には賞味期限があります。

好意は、貯金ではありません。放っておくと目減りします。学生が心を動かした会社は、貴社だけではありません。秋、そして冬シーズンに残るのは、いちばん良かった会社ではありません。思い出させてくれた会社です。

ここに、よくある落とし穴があります。夏の企画は、人も時間もお金もかかります。やり切った達成感で、現場はいったん止まります。悪気はありません。全力で走った証拠です。一方、学生から見るとそれは沈黙の時間となります。会社は「無事に終わった」と思います。学生は「連絡が来ない」と感じます。この温度差が、秋の離脱を生みます。

現代の新卒採用は、数を集める勝負から噛み合わせる勝負へと移りました。そして噛み合わせる作業は、夏には終わりません。一人ひとりの迷いや事情を聞く。こちらの現実も正直に伝える。それは秋から冬にかけての、地道な対話です。夏が出会いの季節なら、秋冬は対話の季節です。

夏の最中に、もう秋冬の採用活動を設計している会社があります。派手なことはしていません。誰に・いつ・何を渡すか。それを決めているだけです。“だけ”というのは語弊があるかもしれません。なぜなら、その単純な活動自体が心理的要素をとっても、マーケティング要素をとっても、最も難しく、当事者として頭をかかえやすいものとなるからです。

それでも、現実としてその差が冬に出ます。

夏は、出会っただけ。

FROM THE FIELD

夏のうちに、決めておきたいこと

1
誰に連絡するかを、夏のうちに決める。
手応えのあった学生を、記憶が新しいうちに書き留めておきます。夏が終わってから思い出そうとしても、顔と名前はもう混ざっています。秋の一通目の質は、ここで決まります。
2
秋の一通目は、案内ではなく「続き」にする。
全体向けの案内は、誰の記憶にも残りません。夏に交わした会話の続きから入る。学生は、自分を覚えていた会社を覚えています。
3
夏で、力を使い切らない。
秋冬こそ人と時間がいります。夏に全部を注ぎ込むと、本番で動けません。夏の予算と人手を組むときに、秋冬の分を先に取り分けておく。

夏をやり切るのは、簡単ではありません。その努力は、学生の中にちゃんと残ります。ただ、残ったものは放っておけば薄れます。だからこそ、夏が終わる前に秋の一手を決めておく。それだけで、夏に積み上げたものが生きます。

新卒採用は、夏に勝負が決まるものではありません。冬まで走り切って、はじめて結果が出ます。いまから設計を少し始めるだけで、春に迎える顔ぶれは変わります。

上記で書いたことをただやれば良いというわけではなく、ここで重要なのは“どのようにやるのか”です。

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Wonderlize Insight | Vol.07
発行:ワンダーライズ株式会社(Wonderlize Inc.) / 著:宮川 卓也(代表取締役)
これまで500社以上の採用支援に関わり、組織改革のご提言も行ってまいりました。
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