WONDERLIZE INSIGHT
経営者と人事のための、採用・組織レター Vol.02
「学べるから」「挑戦したいから」
その志望動機、
本当に大丈夫ですか・・・?
会社は、学校ではない。
「御社で業界最先端の技術が学べると思っています!」
面接で目を輝かせて、まっすぐにそう話す学生がいます。別の子はこう続けます。
「御社で新規事業の立ち上げにチャレンジしたいんです!」
熱意は本物です。きっと嘘ではない。だから多くの面接官は好印象を抱きます。「向上心があるな」と。
ここで、少しだけ立ち止まってほしいのです。その志望動機・・・本当に大丈夫でしょうか。
先にはっきりさせておきます。学ぶ意欲も、挑戦したい気持ちも、それ自体は尊い。否定する気はまったくありません。ただ、採用を長く見てきた人ほど、この手の動機にかすかな違和感を覚えるのではないでしょうか。うまく言葉にできないけれど・・・、なんとなく引っかかる。その正体を少し解きほぐしてみます。
そもそも・・・、「学びたい」「挑戦したい」、それを叶える場所なら世の中にいくらでもあります。講習・習い事・ビジネススクール・留学・・・などなど。ただ、そこには一つの共通点がある。学ぶ側がお金を“払う”のです。成長を買いに行く場所では、私たちは月謝を払う。それが筋というものです。
ところが、会社は逆です。働けば給料を“もらえる”。同じ「学び」「挑戦」のはずなのに、なぜ片方は払い、片方はもらえるのか。この差にこそ、仕事の本質が隠れています。
仕事とは、つきつめれば誰かの課題を解決することです。世の中の困りごとを引き受けて解決する。その対価としてお金を受け取る。働く人の存在価値は、「何を解決したのか」にある。学びの場でも自己実現の場でもなく、まず課題解決の場なのです。
ここまで来ると、最初の違和感の正体が見えてきます。「御社で学べるから」「御社で挑戦したいから」。この言葉、主語がぜんぶ“自分”に向いている。会社を、自分が成長するための“手段”として見ているのです。矢印が内側を向いている。
本来、聞きたいのは、逆向きの矢印です。「自分は御社で、誰の、どんな課題を解決できるのか」。同じ熱量でも、矢印が外を向いている人は強い。一緒に働きたくなる。
もちろん、仕事を続けていればふと振り返ったときに「あれは学びだった」と思える瞬間や、挑戦すべきタイミングも巡ってきます。でも、それは結果であって目的ではない。順番が逆になってはいけないのです。
順番が逆になると何が起きるか。成長を“目的”にして入った人は、成長が止まったと感じた瞬間に去っていきます。一方、課題解決を目的にした人は、課題がある限りそこに留まる理由がある。そして会社(仕事)というのは、ありがたいことに課題が尽きることがありません。
これは特定の誰かを責める話ではありません。むしろ、まじめで素直な人ほど「成長させてくれる会社」を探そうとする。“学ばせてもらう”という発想が、いつのまにか身についている。だからこそ、見極める側がその違いに気づいていないといけないのです。
会社は、学校ではない。
学ぶ意欲を持った人は宝です。ただ、その矢印の向きだけは入口で確かめておきたい。「学べるから」を、ただの熱意として受け取るか、一度立ち止まって問い直すか。その小さな差が、組織の数年後を静かに分けていきます。
FROM THE FIELD
面接で、ここを見てみる
採用・組織づくりのご相談は、『お問合せ』より、お気軽にご連絡ください。
